薔薇と讃岐かがり手まり 三羽根亀甲

『讃岐かがり手まり』の”三羽根亀甲（みつばねきっこう）”ができあがりました。

いつもよりひとまわり大きい手まりです。

『讃岐かがり手まり』は香川県の伝統的工芸品で、

糸は讃岐三白（塩・砂糖・綿）の綿を紡いで草木染めしたものです。

土台のまりはもみ殻を芯にして糸を巻きつけて作ります。

土台まりを巻く糸。かがり糸より細いものです。

こちらはお手本の手まり。

三羽根亀甲の間に菊をかがってあります。

かがっている時間より 配色を考える時間の方が長かったのですが

糸を並べてあれこれ悩むのも 楽しいひとときでした。

向きを変えると違う模様が見えます。

左は"八重菊”をかがりました。

主役は"三羽根亀甲"なので、その中にある二色でかがりました。

"紡錘型交差かがり”　"たくさんの星かがり"　"下掛け千鳥かがり"と一緒に。

色と色が響き合うようです。

草木染めの糸だからこその調和なのでしょう。

草木を育て、それを摘み、その素材で糸を染める・・・

もみ殻を芯にして土台まりを作る・・・

たくさんの手を経て、最後にかがる手が加わります。

そのたくさんの手が それぞれの思いで手まりを大切にしていることを

忘れないでいようと改めて思いました。

偶然手にした薔薇の色が 手まりをかがった糸と同じ色でした。

その薔薇と並べてみたら、

和の手まりが洋の趣になり

思いがけない景色が現れました。

この先 心の中にどのような世界が広がるのか、

糸の色がどのような音楽を奏でるのか、

道を往く楽しみはよりいっそう大きくなるのです。

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