讃岐かがり手まり 秋に寄せて 後編

"菊かがり"を施した『讃岐かがり手まり』の後編、
さらにいくつかをご紹介します。

教室に並べられた草木染めの糸の一部です。
この中からかがる糸を選ぶのですが
いつも、あれも好き、これもいい、
でもこっちにしてみたい・・・などなどと迷い出して
なかなか色が決まりません。

でも、それもまた至福の時なのです。

『讃岐かがり手まり』は香川県の伝統的工芸品です。

糸は讃岐三白（塩・砂糖・綿）の綿を紡いで草木染めしたもので、

もみ殻を和紙にくるんで 木綿糸を巻き付けた土台まりにかがります。

”ダリア”です。
菊かがりのヴァリエーションの中でも好きなものです。
迷わずピンクの糸を選びました。

ひと針ずつ進めて、模様が少しずつ見えてくると
その先がますます楽しみになります。


左下は”二十面の菊”　　右は”十六面の菊”


きれいに同じ大きさの菊をかがるのがとてもむずかしく
難易度が高いと思いました。
仕上がりに納得できていないのでまたかがりたい手まりのひとつです。

習い始めたばかりの頃、複雑な模様を見ると
なんて素敵なのだろう、でも私にはきっとかがれない・・・と
憧れの気持ちで見ていました。
でも、丁寧に教えていただくことを重ねてきたら
いつしかむずかしいものもかがれるようになりました。

ずっと憧れていたものがこちら、
”野菊（92面体交差花)"です。


「讃岐かがり手まり展」に出展したものです。




既出のものは二本どりでかがりますが
こちらは一本どり、細かな作業です。
でも細かいからこそ、かがっていて楽しかったものです。

野原の小菊をイメージしました。


周囲30センチです。
小さい”やさしい菊かがり”は周囲20センチ。


「讃岐かがり手まり保存会」の方が大切に染めてくださった草木染めの糸。
ていねいにかがることで、思いを引き継いでいるつもりです。
そしてたいせつなものがあることで、慈しむという気持ちも
培われていくような気がしているのです。

前編後編共に　過去記事の画像も何枚か掲載しました。
前編はこちらからどうぞ。



ぎゃらりぃ浅羽さんとDiaryさんの「秋もようリレー」に参加させていただいたことをきっかけに
今までかがってきた『讃岐かがり手まり』を久しぶりに振り返ることができました。
浅羽さん　Diaryさん、風雅な企画をありがとうございます。

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