だれもいない庭に秋が揺れて 杜鵑草 糸薄 銀水引

静かな秋の夕暮れを見ていたら

心もとなく 迷子になったようなそんな気持ちになりました。

秋も深まり

実家の庭にやっと咲いたホトトギス（杜鵑草）。

去年の暑さでほとんどが枯れてしまって

残ったのはほんのわずか。

イトススキも元気がありません。

いつになく穂が少ないのです。
ニシキギに続いてマユミも枯れてしまいました。

庭で一番多いのがギンミズヒキ（銀水引）
咲いている、と言うより
手の入っていない庭で蔓延っているという風情です。

このみっつは持ち帰って籠に生けました↓。


キンモクセイ（金木犀）のハンモック。


すぐそばには西王母のつぼみ。

母のためにいったいどれだけの椿を生けてきたでしょう。

去年の今頃、母に庭の花を施設に届けても
眠ったままのことが多く、
たまに目を覚ましても
「眠いから寝るわね」と目を閉じてしまうのでした。

いつも私が行くと 手をたたいて喜んでくれた母なのに、
今思えば 私に覚悟するための”時”を贈ってくれたのでしょう。

母が逝ってやがて一年になります。


これから母が大好きだった椿が咲き始めます。
今年は少し哀しい花に見えるのか
それとも懐かしくあたたかな思いがこみあげるのか・・・
いつもの花がいつもの場所に咲くのを
ひとりで眺めるこの秋の日々です。