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主(あるじ)なき 庭にこぼるる杜鵑草(ほととぎす)




流れるようこぼれるように

実家の庭に咲いていたホトトギス(杜鵑草)。

主(あるじ)なき 庭にこぼるる杜鵑草(ほととぎす)_b0255144_11483657.jpg

去年の夏、ほとんどが枯れましたが

遅れて育ち酷暑を知らないものは無事でした。


庭の花を切るといつもこのように無造作にとりあえず水に挿していました。

そんな花を母はうれしそうに眺めてから

「持って帰りなさい。私は充分楽しんだから」

と言うのでした。

主(あるじ)なき 庭にこぼるる杜鵑草(ほととぎす)_b0255144_11483990.jpg


母が施設で暮らしていた二年余りの間も

庭の花を切って水に挿すと

「持って帰りなさい」という母の声が聞こえるような気がしていたのです。


主(あるじ)なき 庭にこぼるる杜鵑草(ほととぎす)_b0255144_12152953.jpg


そして母が亡くなって一年が過ぎ、

この日も花の前で

母の声を聞いたような気がしたのです。

「ありがとう」と心の中で返事をしたら

部屋の中にさみしさとあたたかさが広がりました。


主なき 庭にこぼるる杜鵑草


誰もいない庭で 晩秋から冬へと季節が移ります。



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ブログテーマ:我が家のガーデニング・家庭菜園
Commented by manyouka at 2024-11-08 13:01
鉢植は枯らしてしまったけれど地植えはしぶとく生き残ってます(笑)
Commented by pecori7023 at 2024-11-08 13:04
ホトトギス 素敵ですよね!
ウチのお庭では紫が消え 白が毎年 種で更新しています。
お母様の「持って帰りなさい」の優しい響きが ずっとずっとホトトギスの
花瓶の前で微笑んでいらっしゃるようです。

Commented by kobacken at 2024-11-08 15:56
今日はいつも以上に趣ある、そして心に滲み入る文章、というか、ひとつの叙情詩を読んだような気持ちになりました。
まだまだ寂しいですよね。
花々に想い馳せて・・・お母様もそこにいらっしゃいましたね。
Commented by rinrin1345 at 2024-11-08 18:28
時々面倒を見てるからこそ、咲くお花かも。家の周りでも強いと思っても雑草に負けちゃうことも多々。お母様との思い出も素敵です
Commented by ejichan555 at 2024-11-08 20:24
主が旅立ったあとも、その庭で愛された草花は、季節がめぐるなかで、主を思って、毎年咲くんですよね。
ジムトレの通り道の信号待ちで、10年以上空き家となっている一軒家の庭を、横目でときどき眺めることがありますが、今年もちゃんと咲いていました。
来年も、その翌年も、ちゃんと咲くんだろうなと。
愛された花って、強いですよね。
長くなってゴメン。
Commented by cut-grass93 at 2024-11-08 20:55
1枚目、このホトトギスの花のS字型の流れるような並びが素敵ですね。
いい場面を見つけましたね。
花器がよく見えない。
見たいのですが、こういうの好きなのです。
いい雰囲気です。
Commented by miyabiflower at 2024-11-09 11:55
☆ 万葉さん

やはり地植えの方が強いのでしょうね。
全滅には至らなかったものの、ほとんどが枯れてしまったので
残った花はとても貴重です。
Commented by miyabiflower at 2024-11-09 11:58
☆ pecoriさん

白いホトトギスですか、実物は見たことがないのですよ。
きれいでしょうね。
そして白が強い???
種もかわいいですよね。今年はプランターに蒔いてみようかなと思っています。
実家に行くと当たり前のように「持って帰りなさい」と言われて
花を持ち帰って生けていました。
どんなことも永遠には続かないのですよね、
だからこそ今が愛おしいです。
実家の花が咲くと「おかあさん、咲いたわよ」と心の中で伝えています^^
Commented by miyabiflower at 2024-11-09 12:00
☆ kobackenのH子さん

そうですね、大きな寂しさではないのですが
うっすらと霧のように寂しさが広がっているような気がしています。
実家を片付けて母の服がなくなっていき箪笥が空になると
ああ本当にいなくなってしまったのだと、いまさらながらに思うのです。
でもすぐそばにいてくれるとも思えるので
不思議な穏やかさに包まれています。
Commented by miyabiflower at 2024-11-09 12:02
☆ rinrin1345さん

そうですね、母は毎日庭に出て何かしらやっていました。
去年はマユミが、そして今年はニシキギが枯れました。
母がいないとわかっているかのようで・・・。
これから椿が咲き始めるとまたあれこれ思い出すのだと思います。
Commented by miyabiflower at 2024-11-09 12:05
☆ エジちゃん

そうですね、季節が巡るといつもの花が咲きますね。
これからいろいろな椿が咲き始めると思います。
母と過ごした時間を花と共に思い出すことになりそうです。
十年以上の空き家ですか・・・。
長いこと愛されてきた花なのでしょうね。
花には気持ちが伝わるような気がしています。
いえいえ、長くても短くてもコメントはうれしいですよ。
それにいつも私の方が長いですね^^
Commented by miyabiflower at 2024-11-09 12:07
☆ 草刈り真っ青さん

はい、この流れをみつけたときはとてもうれしくなりました。
花器ですか・・・ふつうの備前焼か越前焼の壺のような花器です。
これは”とりあえず水に挿す”ということで何も考えずに挿したものなので
あまりはっきり写しませんでした。
今度ちゃんと生けたら花器も写しますね^^
ありがとうございます。イトススキが入ると雰囲気が出ますね。
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by miyabiflower | 2024-11-08 12:10 | 花と実 | Comments(12)

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